最近、知人との会話でよく話題に上がるのが「MBTI(エムビーティーアイ)」という性格診断です。SNSでも「私はINFP型です」「ENTJの人と相性が良いらしい」といった投稿を目にする機会が増えました。40代既婚男性の私としては、若い世代の恋愛事情に興味を持ちつつ、同時に「もし自分が独身だったら」という視点で、現在のマッチングアプリ事情について調べてみました。
今回は、このMBTI診断を活用したマッチングアプリについて、詳しくご紹介したいと思います。
MBTI診断とは何か?なぜ注目されているのか
まず、MBTI診断について簡単に説明させていただきます。MBTIは「Myers-Briggs Type Indicator」の略で、人の性格を16のタイプに分類する心理学的な診断方法です。
この診断では、以下の4つの軸で性格を分析します:
エネルギーの向き方
- E(外向型):人との交流からエネルギーを得る
- I(内向型):一人の時間からエネルギーを得る
情報の受け取り方
- S(感覚型):具体的で現実的な情報を重視
- N(直感型):可能性や理論を重視
判断の仕方
- T(思考型):論理的に判断する
- F(感情型):価値観や感情を重視して判断する
生活のスタイル
- J(判断型):計画的で規則正しい生活を好む
- P(知覚型):柔軟で自由な生活を好む
これらの組み合わせで、INTJ、ENFP、ISTJなど16のタイプに分類されます。
なぜこのMBTI診断が恋愛や出会いの分野で注目されているかというと、表面的な条件(年収、職業、見た目など)だけでなく、価値観や性格の相性を重視する人が増えているからです。特に結婚を真剣に考える年代の方々にとって、長期的な関係を築くためには性格の相性が非常に重要だということが広く認識されてきています。
現在利用可能なMBTI対応マッチングアプリの詳細
2025年現在、MBTI診断機能を取り入れたマッチングアプリがいくつか登場しています。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
Koigram(コイグラム):本格的なMBTI診断を無料で体験
Koigramは、大手マッチングアプリ「タップル」の運営元が手がけるサービスです。このアプリの最大の特徴は、登録時に本格的なMBTI診断を受けることができる点です。
診断結果をもとに、相性の良い相手が自動的に表示される仕組みになっており、従来の「写真を見て直感的に選ぶ」スタイルとは大きく異なります。また、基本的な機能を無料で利用できるのも魅力的です。
運営会社が大手のタップルということもあり、セキュリティ面での安心感も高く、初心者でも使いやすい設計になっています。
イチロク:性格診断に特化したシンプル設計
イチロクは、性格重視のマッチングに特化したアプリです。相手のMBTIタイプがプロフィールに大きく表示され、相性の良さが星の数で分かりやすく示されます。
このアプリの面白い点は、性格診断の結果が視覚的に非常に分かりやすいことです。複雑な文章を読まなくても、一目で相手の性格傾向と自分との相性が理解できます。
ただし、現在のところiOSユーザーのみの対応となっており、Androidユーザーは利用できないのが残念な点です。
Pairs(ペアーズ):大手アプリもMBTIに対応
日本最大級のマッチングアプリとして知られるPairsも、MBTI診断に対応しています。ただし、アプリ内で診断を受けるのではなく、外部のMBTI診断サイトで受けた結果をプロフィールに記載する形式です。
Pairsの良さは、利用者数の多さにあります。MBTI診断結果を記載している人も多く、選択肢が豊富な点が魅力です。また、コミュニティ機能を使って「MBTI好き」や「性格診断好き」といったグループに参加することもできます。
with(ウィズ):心理学ベースの「超性格分析」
withは厳密にはMBTI診断ではありませんが、心理学に基づいた「超性格分析」という独自の診断システムを採用しています。25のタイプに分類され、MBTIよりもさらに細かい性格分析が可能です。
この診断の特徴は、恋愛における行動パターンや価値観について、より具体的にアドバイスしてくれる点です。「あなたはこういうタイプの人と相性が良い」「このような接し方をすると関係がうまくいく」といった、実践的な情報を提供してくれます。
ゼクシィ縁結び:価値観診断で理想の相手を毎日紹介
ゼクシィ縁結びは、MBTIではなく独自の「価値観診断」を採用しています。13のタイプに分類され、毎日4人の相性良好な相手を自動的に紹介してくれるシステムです。
このアプリの特徴は、受け身でも良い出会いが期待できる点です。自分で積極的に探さなくても、システムが相性の良い相手を見つけて紹介してくれるため、忙しい社会人にとって非常に便利です。
また、ゼクシィブランドということもあり、結婚を真剣に考えている利用者が多いのも特徴の一つです。
性格診断マッチングの実際の効果は?
ここで気になるのが、「性格診断によるマッチングは本当に効果があるのか?」という点です。40代の人生経験を踏まえて考えてみると、確かに一定の効果はあると思います。
メリット
まず、価値観や考え方が似ている人同士がマッチングしやすくなることで、会話が弾みやすくなります。趣味や興味の方向性が合えば、デートの場所選びや話題作りも楽になるでしょう。
また、長期的な関係を考えた場合、性格の相性は外見や収入よりも重要な要素になってきます。結婚生活を送っている身として実感するのは、日々の生活で一番大切なのはお互いの性格が合うかどうかということです。
注意点
一方で、性格診断が全てではないことも理解しておく必要があります。診断結果は参考程度に考え、実際に会ってみないと分からない部分も多いからです。
また、人の性格は固定的なものではなく、年齢や環境によって変化することもあります。特に20代から30代にかけては、人格形成の途中段階でもあるため、診断結果だけで判断するのは危険かもしれません。
MBTI相性の真実:本当に相性の良いタイプはあるのか?
よく「MBTIで相性の良いタイプ」について語られますが、これについても冷静に考えてみる必要があります。
一般的には、以下のような組み合わせが相性が良いとされています:
補完的な関係
- 内向型(I)と外向型(E)の組み合わせ
- 感覚型(S)と直感型(N)の組み合わせ
似たような価値観
- 思考型(T)同士、感情型(F)同士
- 判断型(J)同士、知覚型(P)同士
しかし、人間関係はそんなに単純なものではありません。同じタイプ同士でも相性が悪い場合もあれば、理論上相性が悪いとされるタイプ同士でも素晴らしい関係を築けることもあります。
大切なのは、診断結果を絶対的なものと考えるのではなく、「自分や相手を理解するためのツール」として活用することです。
40代から見た現代のマッチングアプリ事情
私たちの世代が若い頃は、出会いといえば合コンや紹介が主流でした。しかし、現在のマッチングアプリの進化は目覚ましく、特に性格診断を活用したマッチングシステムは非常に理にかなっていると感じます。
良い変化
昔と比べて、出会いの質が向上している点は評価できます。外見や職業だけでなく、内面的な相性を重視する傾向は健全だと思います。
また、シャイな性格の人でも自分を表現しやすくなった点も良い変化です。対面での第一印象で判断されがちだった従来の出会い方と比べ、じっくりと相手を知ることができる環境が整っています。
気をつけるべき点
一方で、診断結果に依存しすぎる危険性もあります。人間は複雑な存在であり、16のタイプに単純に分類できるものではありません。
また、オンライン上での印象と実際に会った時の印象にギャップがある場合も多いため、最終的には直接会って判断することが重要です。
効果的な性格診断マッチングアプリの使い方
これらのアプリを効果的に使うためのコツをいくつかご紹介します:
プロフィール作成のポイント
診断結果をプロフィールに載せる際は、単に「INFP型です」と書くだけでなく、「内向的ですが、信頼できる人とは深い話ができます」といった具体的な説明を加えると良いでしょう。
メッセージのやり取り
相手の性格タイプを参考に、コミュニケーションスタイルを調整することも効果的です。例えば、思考型(T)の人には論理的な話題を、感情型(F)の人には価値観や感情に関する話題を提供すると良いかもしれません。
実際に会う前の準備
性格診断の結果を参考に、相手が喜びそうなデートプランを考えてみるのも良いアイデアです。内向型の人なら静かな場所を、外向型の人なら賑やかな場所を選ぶなど、相手の性格に配慮した提案ができます。
まとめ:性格診断マッチングアプリの可能性と限界
MBTI診断を活用したマッチングアプリは、確実に出会いの質を向上させる可能性を秘めています。表面的な条件だけでなく、内面的な相性を重視する文化の広まりは、長期的な関係を築きたい人々にとって朗報です。
しかし同時に、診断結果は参考程度に留め、実際の人間関係では柔軟性を保つことが大切です。人は成長し、変化する存在であり、診断結果だけで全てを判断することはできません。
40代の人生経験から言えることは、良い関係を築くためには相互理解と思いやりが最も重要だということです。性格診断は相手を理解するための一つの手段として活用し、最終的には人間同士の直接的なコミュニケーションを大切にすることが、幸せな関係につながるのではないでしょうか。
これからマッチングアプリを使用される方は、これらの情報を参考に、自分に合ったサービスを選んで、素敵な出会いを見つけていただければと思います。